2011/10/08

鹿男あをによし:万城目 学

“鴨川ホルモー”に続いて、
同著者の“鹿男あをによし”のDVD視聴し、
その後に原作も読んでみた。

TV放送されていたドラマは全10話で、
玉木宏・綾瀬はるか出演。
今年、他界した児玉清も重要な役を
過剰さギリギリの芝居で怪演している。

原作では男性だったとある人物が
TVでは綾瀬はるかが演じるヒロインとなっているところが
大きな相違点だったけれど、
先にドラマを観たため特に違和感はなかった。

他にも、種々のエピソードが
加えられたりカットされたりしているので、
原作に比べ若干イメージが変わっているなと
感じたところが数点あった。
・鼠の使い番の正体判明後から
キーアイテムである‘さんかく’を主人公達が手に入れるまでに、
エピソードを増やされたり舞台を工夫されていることによって、
鼠の使い番の‘さんかく’への執着がより鮮明に描かれている。
・逆に、鹿・狐・鼠の3獣のうちの狐・鼠については、
エピソードやセリフが削られている。
特に原作では‘印’の解除のため
最後に鼠が良い働きをしているけれど、
TVでは鹿が解除方法を教えたことになっており、
鼠が汚名挽回するチャンスがない。
・綾瀬はるかというヒロイン役を創り出していることから、
ヒロインが全く別人になっていて、
エピローグもそれに相応しいものが加えられている。
等など。

ただ、TV・原作本ともに純粋に楽しめる
エンターテイメント作品であることは間違いないと思う。
特に大和杯の剣道試合は、手に汗握る描写がなされていて、
頭一つ抜けた出来のエピソード。