2009/05/11

とある島での青春群像

“バトル・ロワイアル”を読了。

学生時代に、友達の本棚に並んでいるのを目にした頃から気になっていた一冊
(好きな本しか手元に残しておかない子だったため。)
昨年、PS2の“シークレットゲーム-KILLER QUEEN”をプレイして、
そのレビューで、この作品との類似性が指摘されていたため、
ゲームの出来の良さと共に、読みたい心が再燃して今回読むに至った次第。

率直に言って、確かに暴力的表現が散見される小説だった。
しかしそれは、「穿った読み方をした場合にはそう感じる」程度のものだと思う。

銃器がたくさん登場するのは
きっとこの作者がガンや格闘が好きなのだろうし、
それゆえに細かい火気類の名称も詳細に書かれているのだろう。

ただ、闘いの場面などは決して冊子の多くが割かれているわけではなく、
むしろ登場する中学生一人一人がそれぞれ掘り下げられている描かれている方が
印象的。

ハッキリいって、読む前には
1クラス分42名の個性など覚えられるかな?と思っていた。
それが読み始めると、登場人物を誤ることなく・混乱することも無く
最後まで読み切れた。

もちろん、登場しすぐに退場(死亡)する生徒は居るので、
そのことを人命を非常に軽く扱っていると言われれば、
その通りにも思える。

しかし、そんな生徒達も
それぞれに生活・思い・個性のバックグラウンドがあり、
この作品ではきちんと書き込まれている。

 一般的中学生が、普通に生活していても
 想い・考え・悩む様々な事象が、
 きちんと書き込まれている。

この小説は一見すると暴力に満ち溢れている。
装丁からしてトガっている。
けれど、それは青年時代の魂では?
みんな持っていたものでは?

 既存のものに対すカウンターマインド、
 鬱々とした日常生活に対する行き過ぎた回答、
 そんな中で成長していく僕ら、
 そんな中で出会う友・恋人、
 そんな彼等と触れ合い。

この小説の中にはホント様々な青春がギュッと詰まっている。



③アダルトではあるけれど設定から何から非常に似た作品。オリジナル要素もキチンと織り込まれているのは良。